| 敵討 推薦人 咲摩定夫支部長
書名 敵討
著者 吉村 昭
新潮文庫
価格 400円
二つの短編が収められている。どちらも江戸時代の武士の復讐事件を描いている。標題作の「敵討」は、天保・弘化年間に江戸の護持院ヶ原であった敵討。もう一篇の「最後の仇討」は、江戸時代といっても幕末ぎりぎりの慶応4年(1868)を発端とし、明治13年(1880)に決着するという過渡的な時世の出来事である。
冒頭の『天保9年(1838)11月24日八ッ(午後2時過ぎ)、江戸の愛宕下にある伊予松山藩の上屋敷を二人の武家が出て、北への道を足早に歩いていった。』という文章を読んで、すぐに買ってしまった。なぜか。
お察しの通り、天保9年10月26日の天理教の立教直後の出来事が綴られているからである。教祖伝の背景を勉強したいものにとって、一読する価値はある一冊である。 |